着物などの商品を洗う溶剤です。繰り返し同じ液で洗っていると左のような色になり、風合いが悪くなったり、においがついたりします。
毎日蒸留等の液管理をすることにより、右のような新液に近い状態を保っています。
カビがはえた喪服です。数年前に一度丸洗いをされたそうですが、再度カビがはえてしまったようです。
今回は洗い張りをすることになりました。
洗う前に脇を解いてみました。かびは着物の表面だけでなく、裏にもはえています。
丸洗いの場合、この裏にあるかびを取り除くことができないため、保存方法によってはまたかびが生える原因になってしまいます。
丸洗いをした状態です。まだ表面にうっすらとかびが残っています。このあと着物をほどいてみます。
上前の衿付けあたりです。衿は生地が何枚も重なっているため、身頃よりもかびがたくさん残っています。
内揚げをといたところです。縫い目に沿ってかびが残っています。
このようにかびがはえてしまった場合は、丸洗いやしみぬきだけではかびを取り除ききれません。洗い張りをしてお仕立て直しされることをおすすめ致します。
また、お着物をしまわれる場所によってはかびのはえやすい環境にあることが考えられますので、ときどき出して虫干しされるとか、保存パックに入れておかれるのも良いと思います。
着物に血液が飛び散っていますが、しみぬき処理をしてきれいになっています。
着物の衿付けあたりで柄がなくて隙間があいていますが、柄足しをして身頃と衿がつながっているように見えます。